町踊りは、鹿角市花輪地区の各町内で踊られる盆踊りです。花輪ばやしが終わった八月下旬ごろから九月中旬ごろまで、町通りのあちこちで、町踊りが繰り広げられます。かがり火を囲み、老若男女、踊り手の輪は時として百名以上をこえる事もあります。
花輪ばやし期間では、8月19日午後7時ごろ駅前広場にて、花輪美女による町踊りをご覧になれます。
町踊りの由緒・起源は定かではありませんが、幕末のころ、江戸の盛り場で歌われた当時の流行り唄が踊りと共に花輪に伝えられ、今日に至ったものといわれています。踊りは手数が多く、テンポが早く軽快で、いなせな江戸情緒を伝えており、踊りの振りが男舞いであること、踊りの高低を強調したものが多いこと、振り付けが全曲同じ系統のものであることから、この芸能を花輪にもたらしたのは一人で、しかも男性であった確率が高いと考えられています。
名称については、鹿角全域で踊られている盆踊りと区別する意味から、在郷、周辺の部落などから町部で踊られる踊り、『町踊り』と呼ばれるようになりました。
昭和63年3月15日・秋田県無形民俗文化財指定